-日本語コラム-

「Japan in the Schools 」プログラム
A hybrid Japan in the Schools class.

A hybrid Japan in the Schools class.

今日は、コロラド日米協会の運営する教育プログラム「Japan in the Schools 」の紹介とその体験記です。Japan in the Schoolsは日本とコロラド州を教育で繋ぐという当協会の使命のひとつを果たすため、メトロ デンバーとボルダーエリアの教育機関に提供されています。2015年までに、このプログラムを通して繋がった学校と生徒の数は110校、6000人以上に上ります。内容は日本の地理、歴史、言語、生徒の日常についてのスライドプレゼンテーションと折り紙や習字などの文化体験の二部構成で、小学生から高校生まで、それぞれの教育目的に合わせてカスタマイズされています。

このプログラムに携わるようになって数年、たくさんの学校を訪れる中、私が気づいたことは、生徒たちは想像以上に日本について知っていて興味をもっていること、そしてそんな彼らの興味を支え、素朴な質問に答えられる機会が必要であるということです。特にプレゼンテーションで大事なのは、質疑応答の時間。生徒たちからは、時に思いもよらない質問が飛んできます。例えば、「日本で行かない方がいいところは?」これには答えに困りましたが、あくまで私の意見として「パチンコ」と答え、その理由を説明しました。他にも「どんなアニメが好き?」「日本とアメリカどっちが良い?」など、個人的な見解を問われることも多く、そんな時は彼らにステレオタイプな知識を教えないように注意しながら(これがかなり難しい)、自分の意見を伝えるようにしています。ネット社会で、知識や情報は簡単に手に入るけれど、一方通行でその正確性も問われる今、直接生徒を目の前に話ができるこのプログラムは、生徒たちと双方のコミュニケーションを通して、より正確な情報と、異文化体験を提供できる絶好の機会だと思います。

パンデミックによって学校訪問が難しくなったここ一年程は、オンライン訪問に移行し、引き続き多くの生徒や先生とリモートラーニングで繋がってきました。今後は、学校訪問とオンライン訪問の両方を可能にし、さらに対象地域を拡大して、より多くの生徒と日本との繋がりを築き、彼らが異文化・多文化に興味を持つきっかけになれればと願っています。

銭湯
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皆さん、銭湯に行かれたことはありますか。銭湯とは公衆浴場のこと。実は日本で温泉が世間で注目されるずっと前から、銭湯は存在していました。11世紀末から12世紀に書かれた日本最古の説話集『今昔物語』の中に「東山へ湯浴みにとて人を誘ひ」とあるところから見て、すでに平安時代には京都に銭湯があった可能性は高いそうです。

私の生まれ育った町には、昔ながらの銭湯が、今も当時のままの姿で営業を続けています。男湯と女湯の入り口の間には、店の人(番頭)が座る番台があり、その先は数枚の衝立で仕切られた男女それぞれの脱衣所があり、ガラス戸の向こうにはいくつかに仕切られ湯船と簡素な洗い場があるだけのとても小さなお風呂屋さんです。一時期、日本全国にこのようなお風呂屋さんが多く存在したようですが、今ではスーパー銭湯と呼ばれるサウナやジャグジー、食事スペースやマッサージ器具などが設置された大型施設が人気を集めています。

時を経て形は変われど、日本の入浴文化は今でも生活の一部として楽しまれています。皆さんも、シャワー生活を送る中、一日の終わりに、お風呂に肩までどっぷり漬かりたくなることありませんか。

旬の食べ物「春」
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日本で春といえば、お花見、イチゴ狩り、たけのこ堀り、潮干狩りなどたくさん食べ物に関連した行事が思い浮かびます。毎年、我が家では近くの竹やぶに家族や友人そろってたけのこ堀りに行っていたので、この季節になると、つい懐かしく思い出されます。「旬のものを食べる」ことは、その栄養面や美味しさだけでなく、自然の恵み、環境、そして習慣にふれ、食を楽しむ日本の大切な文化の一つです。さらにはこのような行事を通して「旬の食べ物」にふれることは食育にも繋がります。いつ、どこで、なにが、どのように生育し、どうやって調理したら美味しくいただけるのか、学びが満載です。最近では、アメリカと同様に日本でもスーパーで季節にかかわらず、いろいろな食材が手に入るようになり、旬の食べ物に対する関心が少し薄れているかもしれませんが、それでも、春になると、たくさんの親子連れがスコップやバケツを手に海や山に出かけ、収穫した旬の食べ物を頬張る写真を見るとほっとします。今年の夏は、コロラドならではのPALISADE Peach狩りに出かけてみるのもいいかもしれませんね。