-日本語コラム-

日本のクリスマス

クリスマスといってもアメリカとは違い、この日は祭日ではなく普通の平日です。日本ではクリスマスは宗教的な位置づけではなく、季節のイベントとして楽しむようになっています。

日本でのクリスマスの過ごし方は、家族または友人と一緒にローストチキンやクリスマスケーキを食べながら、クリスマスという特別な日を楽しみます。 ほかには、恋人とデートをしたり、プレゼント交換するなどが一般的です。現在ではクリスマスイブが大変重要視されており、カップルで豪華ディナーを楽しみ、告白やプロポーズをする絶好の日となっています。ですので、全国の高級レストランは、カップルがキャンドルライトのディナーを求めて予約でいっぱいになります。商業施設や公園などは夜になると光にあふれます。工夫を凝らした幻想的で美しいイルミネーションが人びとをロマンチックな気分にさせるのかもしれません。

さて、日本のクリスマスケーキは、パティシェが腕を振るった美しいデコレーションケーキです。土台はスポンジで、ホイップクリームがふんだんに使われ、真っ赤なイチゴがトッピングされているケーキが主流です。ケーキ屋はもとより、セブンイレブンなどのコンビニでさえクリスマスケーキの予約ができます。

クリスマスケーキともう一つ欠かせないのがKFCのチキンです。KFCは1970年代にマーケティングキャンペーンを行い、「クリスマスにはケンタッキー」を国民に根付かせることを見事に成功させました。アメリカと違い七面鳥を食べる習慣は日本にはないので、チキンは最適なディナーなのでしょう。人々はKFCのクリスマスディナーを確保するために、数週間または数ヶ月前に注文を入れます。

12月26日になると、クリスマスケーキもチキンも人びとの生活から見事に消え去り、日本の伝統的なお正月に向けての準備が進められます。クリスマス時期に日本を訪問する際はぜひ日本独自のクリスマスを楽しみましょう。

日本のハロウィン

日本で初めてハロウィンを取り入れたのは、1970年代のキデイランド原宿店であるといわれています。同店は1983年にはハロウィン商品の販売促進のために、ハロウィンパレードを行いました。

1990年代になると、東京ディズニーランドを皮切りに複数のテーマパークがハロウィンイベントを開催し、ハロウインの知名度が一気にあがりました。現在は各地のテーマパークではハロウィンが秋の恒例イベントとなっています。その後2000年代後半には、菓子メーカーがハロウィンに着目し、ハロウィン商品を毎年販売するようになりました。また、バラエティショップ等では仮装用品の販売が始まるなど、この20年でハロウインが一気に定着しました。

仮装については、もともとコスプレ文化に馴染みがあった日本人には違和感がありません。「悪霊から身を隠すための仮装」の範囲を大きく超えて、何でもござれのコスプレを楽しんでおり、日本のハロウイン仮装は独自の進化をとげています。また、昨今のSNSの普及により、いわゆる「映え」のイベントとしても、ハロウィン=仮装をして楽しむイメージが拡散されました。

ハロウィンが盛り上がりを見せる一方で、パレードの騒動や、ゴミの散乱、酔っ払いによるトラブルなどが多発するようになりました。特に2023年は、渋谷で大量の逮捕者が出るなど、大きな社会問題となりました。2024年ハロウインの日は渋谷のスクランブル交差点ではいろいろ規制があったにもかかわらず2023年の人出より20%増加の1万8000人が集まったそうです。今年は渋谷区長が自らメッセージを発表し、渋谷はハロウイン目的で集まるのは禁止です、スクランブル交差点でのイベントはありません、来ないでほしい、と異例の呼びかけをしています。

 ハロウイン時期に日本を訪れる際は、渋谷や新宿には近寄らないようにしたほうが賢明かもしれません。 

中秋の名月 十五夜

  

十五夜といえば、一般的にはお月見をする旧暦8月15日の「十五夜」をさします。「十五夜」は「中秋の名月」と呼ばれる秋の美しい月を観賞しながら、秋の収穫に感謝をする行事です。旧暦8月15日は9月中にあたることが多いのですが、今年は10月6日です。

旧暦では7月~9月が秋にあたります。初秋は台風や長雨が続きますが、秋の半ば、すなわち中秋は秋晴れも多く空が澄んで月が美しく見えます。お月見の風習は中国から伝わり、当初は平安貴族が月見の宴を催して風雅を楽しんでいました。やがてそれが庶民に広がると、実りに感謝する行事になっていきました。

十五夜に月見だんご、すすき、芋などの収穫物を供えるのは、さまざまな物事の結実に対して感謝と祈りを捧げるためです。日本では、月の模様を「うさぎがもちをついている」ととらえますが、うさぎは慈悲の心の象徴と言われ、月に寄せる思いの深さが感じられます。たくさんのお米がとれたことに感謝する意が込められているようです。

 9月になると様々なファストフード店が、季節限定の月見に関連するメニューを提供します。月がキーなので、たまごが入ったメニューが豊富です。

マクドナルドでは、期間限定メニュー「月見バーガー」や「月見マフィン」などをが登場します。 牛丼でおなじみにすき家でも 日本の秋の風物詩"お月見"を盛り上げる「月見すきやき牛丼」が今年も期間限定で販売されます。

秋に日本を旅行するなら、ぜひこれらの期間限定foodを味わってみてください。