-日本語コラム-

中秋の名月 十五夜

  

十五夜といえば、一般的にはお月見をする旧暦8月15日の「十五夜」をさします。「十五夜」は「中秋の名月」と呼ばれる秋の美しい月を観賞しながら、秋の収穫に感謝をする行事です。旧暦8月15日は9月中にあたることが多いのですが、今年は10月6日です。

旧暦では7月~9月が秋にあたります。初秋は台風や長雨が続きますが、秋の半ば、すなわち中秋は秋晴れも多く空が澄んで月が美しく見えます。お月見の風習は中国から伝わり、当初は平安貴族が月見の宴を催して風雅を楽しんでいました。やがてそれが庶民に広がると、実りに感謝する行事になっていきました。

十五夜に月見だんご、すすき、芋などの収穫物を供えるのは、さまざまな物事の結実に対して感謝と祈りを捧げるためです。日本では、月の模様を「うさぎがもちをついている」ととらえますが、うさぎは慈悲の心の象徴と言われ、月に寄せる思いの深さが感じられます。たくさんのお米がとれたことに感謝する意が込められているようです。

 9月になると様々なファストフード店が、季節限定の月見に関連するメニューを提供します。月がキーなので、たまごが入ったメニューが豊富です。

マクドナルドでは、期間限定メニュー「月見バーガー」や「月見マフィン」などをが登場します。 牛丼でおなじみにすき家でも 日本の秋の風物詩"お月見"を盛り上げる「月見すきやき牛丼」が今年も期間限定で販売されます。

秋に日本を旅行するなら、ぜひこれらの期間限定foodを味わってみてください。

日米の祝日

日本では7月の第三月曜日は「海の日」という祝日です。これは「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日として1995年に施行されました。

 

そして8月11日は「山の日」で祝日です。これは山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝しようという趣旨で、2016年に施行された比較的新しい国民の祝日です。海の日が制定された後、山岳団体や自然保護関係者から「山の日」も制定して欲しいという要望があり、実現したそうです。もともとは、お盆休み(一般に8月13日~16日)と連動させやすい日として、8月12日が最有力候補でした。

しかし8月12日は、1985年に群馬県・御巣鷹山(おすたかやま)に日本航空123便が墜落する史上最悪事故が起きた日でもあるため、反対意見も出て、最終的に1日ずらした8月11日で決着しました。

海の日、山の日の祝日が追加されたことにより、現在日本の祝日は年間16日に増えました。それに加え、振替休日などもあるので今年は19日が休みとなります。祝日がない月は6月と12月のみです。

さてアメリカはどうでしょう。米国の連邦政府が定めるfederal holidayは年間11日です。(祝日がない月は、3月、4月と8月です。) これらの祝日には連邦政府、銀行、金融証券取引所が休業となります。しかし一般企業や学校は個々の判断によるのですべてのfederal holidaysを休業又は閉校するとは限りません。90%以上の企業が休業する祝日は、New Year’s Day, Memorial Day, July 4th (Independence Day), Labor Day, Thanksgiving Day,  Christmasの6日のみです。Presidents DayやJuneteenth、 Columbus Day (Indineous Peoples’ Dayとも呼ばれる)は休みとしていない企業が多く存在します。あるアメリカ人は給料が多少低くてもいいからすべてのfederal holidayを休みにしてほしいとぼやいています。

 今年に入り、JASCはインスタグラムで日本の祝日の歴史や伝統に関する情報を投稿しています。ぜひ私たちのインスタグラムをフォローしてください。

盃と杯

コートの必要ない日が増え、そろそろ春と呼んでいい気候になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

春といえば、日本では出会いや別れの季節ですね。送別会や歓迎会、そしてお花見もあり、年末に続き乾杯が増える時期でもあると思います。また我々は、競い合ったり自分の能力を他人に示そうとしたり、あるいは自分自身と闘ったりと、結果や勝敗を意識して生きることが多くありますが、その他人や自分に勝った時にも、成功を祝うために酒を飲みます。さらに人間は約束が好きな動物で、その席でも酒を酌み交わし、契約とみなすことがあります。結婚式での三々九度は有名ですよね。

さて、日本で約束事をする時に使う「盃」ですが、「杯」という漢字もあって、どちらも読み方は「さかずき」です。この二つに違いはあるのでしょうか。

「盃」は「杯」の俗字だという説もあるそうで、基本的にはどちらも酒を飲むための器という意味です。ただし現代では漢字の使い分けがされており、実際に酒を飲む器の場合は盃、優勝杯などの戦利品、また一杯二杯などの単位や、掛け声の「かんぱい(乾杯)」には杯が使われています。

ちなみに昔の人々は、戦利品としての杯でも酒を飲んでいたようです。今とはやり方が少し違いますが、勝利を祝う行為はいつも変わらないのですね。

今回は盃と杯について書いてみましたが、来月JASCでも優勝杯をめぐって競い合うイベント、ジャパンカップが行われます。参加者も審査員も、みなさん張り切って準備に取り掛かっていますので、当日をお楽しみに!

※ジャパンカップの詳細は下の画像をクリック↓↓↓

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator