-日本語コラム-

日本のハロウィン

日本で初めてハロウィンを取り入れたのは、1970年代のキデイランド原宿店であるといわれています。同店は1983年にはハロウィン商品の販売促進のために、ハロウィンパレードを行いました。

1990年代になると、東京ディズニーランドを皮切りに複数のテーマパークがハロウィンイベントを開催し、ハロウインの知名度が一気にあがりました。現在は各地のテーマパークではハロウィンが秋の恒例イベントとなっています。その後2000年代後半には、菓子メーカーがハロウィンに着目し、ハロウィン商品を毎年販売するようになりました。また、バラエティショップ等では仮装用品の販売が始まるなど、この20年でハロウインが一気に定着しました。

仮装については、もともとコスプレ文化に馴染みがあった日本人には違和感がありません。「悪霊から身を隠すための仮装」の範囲を大きく超えて、何でもござれのコスプレを楽しんでおり、日本のハロウイン仮装は独自の進化をとげています。また、昨今のSNSの普及により、いわゆる「映え」のイベントとしても、ハロウィン=仮装をして楽しむイメージが拡散されました。

ハロウィンが盛り上がりを見せる一方で、パレードの騒動や、ゴミの散乱、酔っ払いによるトラブルなどが多発するようになりました。特に2023年は、渋谷で大量の逮捕者が出るなど、大きな社会問題となりました。2024年ハロウインの日は渋谷のスクランブル交差点ではいろいろ規制があったにもかかわらず2023年の人出より20%増加の1万8000人が集まったそうです。今年は渋谷区長が自らメッセージを発表し、渋谷はハロウイン目的で集まるのは禁止です、スクランブル交差点でのイベントはありません、来ないでほしい、と異例の呼びかけをしています。

 ハロウイン時期に日本を訪れる際は、渋谷や新宿には近寄らないようにしたほうが賢明かもしれません。