-日本語コラム-

日米の祝日

日本では7月の第三月曜日は「海の日」という祝日です。これは「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日として1995年に施行されました。

 

そして8月11日は「山の日」で祝日です。これは山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝しようという趣旨で、2016年に施行された比較的新しい国民の祝日です。海の日が制定された後、山岳団体や自然保護関係者から「山の日」も制定して欲しいという要望があり、実現したそうです。もともとは、お盆休み(一般に8月13日~16日)と連動させやすい日として、8月12日が最有力候補でした。

しかし8月12日は、1985年に群馬県・御巣鷹山(おすたかやま)に日本航空123便が墜落する史上最悪事故が起きた日でもあるため、反対意見も出て、最終的に1日ずらした8月11日で決着しました。

海の日、山の日の祝日が追加されたことにより、現在日本の祝日は年間16日に増えました。それに加え、振替休日などもあるので今年は19日が休みとなります。祝日がない月は6月と12月のみです。

さてアメリカはどうでしょう。米国の連邦政府が定めるfederal holidayは年間11日です。(祝日がない月は、3月、4月と8月です。) これらの祝日には連邦政府、銀行、金融証券取引所が休業となります。しかし一般企業や学校は個々の判断によるのですべてのfederal holidaysを休業又は閉校するとは限りません。90%以上の企業が休業する祝日は、New Year’s Day, Memorial Day, July 4th (Independence Day), Labor Day, Thanksgiving Day,  Christmasの6日のみです。Presidents DayやJuneteenth、 Columbus Day (Indineous Peoples’ Dayとも呼ばれる)は休みとしていない企業が多く存在します。あるアメリカ人は給料が多少低くてもいいからすべてのfederal holidayを休みにしてほしいとぼやいています。

 今年に入り、JASCはインスタグラムで日本の祝日の歴史や伝統に関する情報を投稿しています。ぜひ私たちのインスタグラムをフォローしてください。

盃と杯

コートの必要ない日が増え、そろそろ春と呼んでいい気候になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

春といえば、日本では出会いや別れの季節ですね。送別会や歓迎会、そしてお花見もあり、年末に続き乾杯が増える時期でもあると思います。また我々は、競い合ったり自分の能力を他人に示そうとしたり、あるいは自分自身と闘ったりと、結果や勝敗を意識して生きることが多くありますが、その他人や自分に勝った時にも、成功を祝うために酒を飲みます。さらに人間は約束が好きな動物で、その席でも酒を酌み交わし、契約とみなすことがあります。結婚式での三々九度は有名ですよね。

さて、日本で約束事をする時に使う「盃」ですが、「杯」という漢字もあって、どちらも読み方は「さかずき」です。この二つに違いはあるのでしょうか。

「盃」は「杯」の俗字だという説もあるそうで、基本的にはどちらも酒を飲むための器という意味です。ただし現代では漢字の使い分けがされており、実際に酒を飲む器の場合は盃、優勝杯などの戦利品、また一杯二杯などの単位や、掛け声の「かんぱい(乾杯)」には杯が使われています。

ちなみに昔の人々は、戦利品としての杯でも酒を飲んでいたようです。今とはやり方が少し違いますが、勝利を祝う行為はいつも変わらないのですね。

今回は盃と杯について書いてみましたが、来月JASCでも優勝杯をめぐって競い合うイベント、ジャパンカップが行われます。参加者も審査員も、みなさん張り切って準備に取り掛かっていますので、当日をお楽しみに!

※ジャパンカップの詳細は下の画像をクリック↓↓↓

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator

おみやげ

先日我がマネージャーから日本へ持って行くお土産について質問を受けました。その時は「日本人はトレーダージョーズが好きだから、トレジョ商品を買っていけば間違いない。」と伝えて終わったのですが、その後日本の土産文化について気になったので、少し調べてみました。

「土産」は元来「とさん(またはどさん)」と読む漢語で、土地の産物という意味です。それが「みやげ」になったきっかけは諸説ありますが、「宮笥」と書いて「みやけ」という、神社のお札やお供え物を入れる容器から来ているというのが有力なのだそうです。その後、参拝客が集まる所に自然に店が増え、そこで社寺にちなんだ縁起物のほかに、その土地の産物が売買され、「土産」の字をあてるようになったとみられています。

ところで、お土産は日本独自の文化と思われがちですが、アメリカ人は何も買わないというわけではありません。自分自身、そして家族や友人のためにお土産を買ってくることはあります。ただし、日本のように職場にまで持って行くということはないようです。「買わなくてはいけない」というプレッシャーからではなく、相手の喜ぶ顔を想像すれば、買うという行為すら楽しい思い出になりますよね。

さて、今回のテーマである「お土産」として日本から持ってきてもらうのは難しいですが、日米協会によるイベント「おうちごはん!」に参加すれば、おいしいお好み焼きを自分で作れるようになります!今月は28日金曜日、午後4時(山時間)から開催です。ぜひご参加ください(詳細は下記リンクからご確認いただけます)!!

https://www.jascolorado.org/event-calendar#!event/2025/2/28/ouchigohan-hiroshima-style-okonomiyaki

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator