相撲

コロラド日米協会では9月9日にAnnual Galaを開催します。2019年のGalaに続き今回もUSA Sumo所属の力士が私たちに迫力のある試合を見せてくれます。
今回の日本語コラムは、Galaで相撲を楽しく観戦できるよう、相撲の魅力や歴史についてお話します。
相撲は日本の伝統格闘技で、まわしを締めた2人の力士が直径約4.55メートルの土俵上で対戦し、相手を倒すか土俵の外に出すことで勝敗を決める格闘技です。平均的な取組時間はわずか数秒から十数秒ですが、その短い時間の中で様々な魅力をみせてくれます。
その魅力は何といっても、一瞬で決まる勝負の緊張感、神事としての荘厳さ、単なる力比べではない82手の決まり手による奥深い技を駆使した相手との駆け引き、番付制度による明確なヒエラルキーと下克上の物語がある力士の人間ドラマ、そして 土俵から出るか倒れたら負けというシンプルで分かりやすいルールが挙げられます。
相撲の起源は少なくとも約1500年以上前の古墳時代にまでさかのぼります。考古学的な物証として、古墳時代(4〜6世紀ごろ)の遺跡から力士をかたどった埴輪が出土しており、当時すでに相撲に似た格闘が行われていたことが確認されています。また、文献上の記録としては712年に成立した『古事記』、720年成立の『日本書紀』にも力比べの神話や伝説が記されており、相撲の原型は神話の世界にまで及びます。古代の相撲は単なる格闘技や娯楽ではなく、神事(神への奉納)や農耕儀礼としての重要な役割を担っていました。相撲節会(相撲の宮廷行事)では、相撲の勝敗がその年の農作物の豊凶を占うものとして位置づけられていました。
現在の「大相撲」の原型となる興行(勧進相撲)が本格的に始まったのは、江戸時代(17世紀後半〜18世紀)のことです。それまで神事や武士の鍛錬として行われていた相撲が、庶民に向けた娯楽・興行として発展し、「大相撲」という形が確立されていきました。一方日本各地の神社では現在も「奉納相撲」が行われており、神への感謝や祈願を込めて相撲が奉納される伝統が続いています。年6場所制(1月・3月・5月・7月・9月・11月)が正式に導入されたのは1958年です。各場所は15日間にわたって開催されます。
横綱の呼称が一般化したのは江戸時代末期で、正式な制度として整備されたのは明治以降です。横綱は大相撲の最高位であり、圧倒的な実力と品格を兼ね備えた力士のみが昇進できます。大関から横綱への昇進は非常に難しく、場所での特別な成績を残す必要があります。横綱は相撲界全体を引っ張るは区割りも期待されます。横綱の次には「三役(さんやく)」と呼ばれる大関・関脇・小結があります。
気になる力士の基本給についてお話しましょう。
幕内(横綱、大関、関脇、小結、前頭)と十両を合わせて「関取(せきとり)」と呼ばれる力士の月給は以下の通りです。このほかに力士褒賞金や本場所特別手当、巡業に関する手当など特別な待遇が与えられます。十両になると付き人をつけることができます。基本給や場所手当などは2027年1月から 現行より約1割増しになることが決定しています。
幕内:横綱の月給2027年1月より 330万円。大関 同275万円、関脇・小結同200万円、前頭同155万円
十両:十両同120万円
幕下以下:給与制度がなく、「場所手当」のみが支給されます。本場所ごとに場所手当が支給されます。8万2千円~18万円。(年に6場所あるので49万2千円~108万円が年収)他に勝ち星金、懸賞金、技能賞や敢闘賞なども設けられており、それらを受賞すると賞金をもらえるので力士は毎日稽古にいそしみ、それぞれの場所で力を発揮します。
外国人力士が本格的に大相撲に参入したのは1960年代後半〜1970年代のことです。ハワイ出身の高見山大五郎(1964年入門)が外国人初の幕内力士として活躍し、その後1990年代以降はハワイ出身の曙・武蔵丸、2000年代以降はモンゴル出身の朝青龍・白鵬らが横綱に昇進するなど、国際化が急速に進みました。現在もモンゴルをはじめ、ウクライナ、ロシア、カザフスタン、中国出身の力士が活躍しています。
勝ち負けを審判する行司の掛け声でよく耳にするのが「はっき(け)よい、のこった」です。日本相撲協会は「はっきよい」を「発気揚々(はっきようよう)」から来た言葉だと説明しています。その意味は、お互いに元気を出して頑張って相撲を取ろうという内容です。そのため、この言葉はただの掛け声ではなく、力士に気持ちを入れ直させる働きを持つ声となっています。「のこった」は、両力士が動いている時にかけられる言葉で、二人ともまだ土俵に残っており、勝負はついていないという知らせで取組が続いていることを明確にしながら、力士にも観客にも今の状況を知らせるようにこの声をかけます。
日本相撲協会のwebsite (https://www.sumo.or.jp/En/)には相撲の歴史、番付、見どころなど相撲に関するあらゆる情報が掲載されています。また今回のSumo Galaに来る力士の紹介などはこちらをご覧ください。
相撲通になってぜひ9月9日のSumo Galaを楽しみましょう。
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